太田 毅

穏やかな物腰、丸いメガネに知的な雰囲気。写真と「英語・国語・社会」という担当教科を見れば、物静かな「文系スペシャリスト」を想像するでしょう。しかし、その第一印象は、見事な「一本負け」です！

太田先生、実はゴリゴリの体育会系。特技は「柔道黒帯」、学生時代は「背負い投げ」「巴投げ」に青春を捧げた、熱血漢なのです。

太田先生は、柔道を通して「人を投げる快感（＝成長する喜び）」と「人に投げられる苦痛（＝壁にぶつかる悔しさ）」が常に共存することを学んだと言います。これ、実は勉強と全く同じだと思いませんか？

難問が解けた時の達成感と、どうしても点数が上がらない時の焦燥感。太田先生は、その両方を知っている「鉄人」です。「勉強が好きだった」という真面目な一面と、「判定負けした試合をいまだに夢に見る」という熱い執念。その穏やかな語り口調の奥には、二つの異なる炎が燃えています。

「自分が夢中になれるものを見つけて欲しい」—その思いで、生徒が目の前の壁を豪快に「一本！」と投げ飛ばす日まで、熱く、粘り強く指導してくれる先生です。

転勤族の家庭でしたが、学生時代の大半は名古屋市瑞穂区で暮らしていました。弥富小学校を卒業しています。

中学時代は何となくの気持ちで入ってしまった柔道部で密な時間を過ごしました。
当時の柔道部には、『痛くて・怖くて・臭い』空間と時間が流れており、両足は常にアザだらけでした。
反りこみ（当時のヘアスタイル）の入った先輩たちとの乱取り稽古の時間や、自分がチームの主将になって、後輩たちと一緒に練習をした時間は今となってはいい思い出となっています。

一方、出稽古に来たチームの女子選手に厳しく接し泣かしてしまったことは今でも後悔していますし、市大会で準優勝した相手に判定負けした試合は、今でも数年おきに夢に出てきます。うなされます。

振り返れば当時、人を投げる快感（＝試合に勝つ、成長する）と、人に投げられる苦痛（＝試合に負ける、新しい壁が出てくる）が常に共存していました。ただ、だからこそ毎日が充実していました。

明倫の生徒のみんなには、どんなことでもいいので、「自分が夢中になれるものを見つけて欲しい！」そんな思いで教壇に立っています。