中学受験ブログ

検察官の抗告に関する議論

2026.05.12

時事問題

こんにちは。
明倫ゼミナール中学受験コースです。


刑事訴訟法改正案の報道を見ていると、
「裁判所」について習った6年生は、
「三審制だから裁判のやり直しって当然じゃない?」
と思うかもしれませんね。
今回、議論になっているのは、
判決が確定した後に、
裁判のやり直しを求めた時、
検察が不服申し立て(抗告)をすることで、
再審(やり直し)が遅れてしまうことなのです。


公平公正な裁判・判決になるように、
三審制がありますが、
その結果だとしても間違いだったことがあります。
実際に、
判決確定して服役(刑務所に入る)した後で、
真犯人が現れたり、
科学技術の進歩により、
証拠が否定されたことなどから、
無罪になった人がいます。
ですから、判決に関して疑いが生じた場合は、
裁判のやり直しを請求することができます。



疑いが生じたのですから、
「裁判のやり直しをするのは当然だ」
という意見ばかりではありません。
検察官は被告人が有罪であることを
証明することが役割ですから、
有罪判決がやり直しになることは
認めにくい立場にあります。
再審請求(裁判のやり直し請求)に関して
検察官は「待った」をかけることができ、
それを抗告と言います。
抗告があると、
裁判所は再審請求を受け入れるべきか
検討しますから、
再審が始まるまでに何十年もかかっていて問題になっています。
また、再審の多くは地方裁判所で行われます。
最高裁判所で判決を出した事件について、
地方裁判所でやり直すことに、
裁判所の位置づけがおかしくなるとか、
最終判断がどこになるのかわからない
など「法的安定性が害される」という意見があります。


最高裁判所の判断と異なった判断に
なることへ違和感を覚える人も
いるのではないでしょうか?
最高裁判所は
「判決等が憲法・法律に違反していないか」
という視点で判断するのであって、
新たな証拠探し等をするのではないので、
新たな証拠や容疑者が現れれば、
判断の前提も変わるわけです。


やってみよう!


1 判決が不服で第二審判決を求めることを
 何と言うか答えなさい。


2 最高裁判所に判決を求めることを
 何と言うか答えなさい。

3 一般国民が裁判に参加する制度を
 何と言うか答えなさい。


4 最高裁判所は憲法に違反しているか
 どうかを最終的に判断することから
 何と呼ばれるか答えなさい。


5 次の文のうち正しいものを選びなさい。


 ア 刑事裁判において、訴えた側を原告と言う。
 イ 刑事裁判において、訴えられた側には、
  弁護人をつけなければならない。
 ウ 刑事裁判において、訴える側は、
  有罪を立証する証拠だけを提出すれば良い。
 エ 前出の問題3の制度に参加できる国民の
   年齢は満20歳以上である。


答え

1 控訴
2 上告
  ※控訴・上告は判決の不服申し立てなので、
   判決が確定する前に行います。
   控訴・上告をしなければ、
   判決を受け入れたことになり、
   判決が確定したことになります。
   再審は判決が確定した後、
   判決に疑いが生じた場合に行います。
3 裁判員制度
4 憲法の番人
5 イ  
   ア 原告→検察官
   ウ 本来は被告人に有利な証拠も
     提出しなければならないが、
     そうなっていないという意見もある。
   エ 満18歳以上(民法上の成人)


参考
日本弁護士連合会ホームページ「再審に関してのQ&A」
日テレNEWS 「検察官の抗告禁止紛糾のワケ」





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