こんにちは。
明倫ゼミナール中学受験コースです。
先の参議院選挙の争点となったのは物価高対策でした。
なぜ物価が上がっているのでしょうか。
1、世界情勢の不安定化
ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとハマスの紛争など、
世界情勢が不安定なことが挙げられます。
特に、ロシアは石油などの地下資源が豊富であり、
小麦などの穀物の生産量も多く、広大な領土に森林資源もあるため、
ロシアへの経済制裁をしている国にとっては、
ロシアから輸入したいたものを他国から輸入に切り換えるため、
国際価格が上昇します。
2、気候変動の影響
気候変動によって農作物が不作で農産物の価格が上がっていることもあります。
日本においては、円安の状態が続いていることもあります。
3、円安の影響
アメリカは、数年前から好景気となり、景気をおさえるために金利を上げました。
金利は簡単に言うと、貸したお金に付いてくる利息のことですから、
金利が高い国にお金を出した方がもうかります。
それに対して、日本はずっと景気が良くならないため金利を上げることができません。
そのため、世界から見ると、金利の低い国ですから、
日本円を持っていてももうからないと、円を売って、もうかるドルに換えてしまう人が増えます。
こうして円安の状態になっているのです。
円安とは円の価値が低い状態ですから、外国から物を買う場合に、
たくさんの円を支払わないといけないわけです。
つまり、資源や農産物の価格が上がっている上に、
円安で海外から高い値段で買う状態になっているため、
日本国内の物価も上がってしまっているのです。
4、物価上昇に対して給料は上がっていない日本
日本の景気がよくならないため給料が上がらないので、
収入に対して支出の割合も高くなっているのです。
物価高対策とあわせて賃金の上昇も課題になっています。
やってみよう!
1 次の文章のうち、正しいことを述べているものを、上の文章も参考にして選びなさい。
ア 景気が悪い時は、景気を良くするために金利を上げて国民がお金を増やしやすくする。
イ 景気が良い時は、金利を下げて、お金を借りやすくしてお金を使えるようにする。
ウ 円安の時は、輸入品の価格が高くなるため、日本国内の物価も上がる。
エ 円安の時は、円を安く買えるので、ドルを円に換える人が増える。
2 金利は中央銀行によって決められるが、日本の中央銀行はどこか答えなさい。
3 1ドルが100円から150円になった場合は、円高、円安のどちらと言えるか答えなさい。
4 円安の時に有利になる場合を選びなさい。
ア 海外旅行に行く イ 日本国内を旅行する ウ 製品を輸出する エ 外国製品を輸入する
5 物価高対策として誤っているものを選びなさい。
ア 国が企業に対して、働く人の賃金を上げるように働きかける。
イ 国が税金を下げて国民の手元にお金が残るようにする。
ウ 国が国民に給付金を出す。
エ 価格の高い輸入品の輸入を制限して物価を下げる。
答え
1 ウ ア 金利を下げることでお金を借りやすくすると、
企業はお金を借りて設備を整え良い製品や多くの製品をつくることができる。
また従業員の給料を増やすことができる。
イ 景気の良い時にお金を借りやすくするとますます経済活動が活発になる。
行き過ぎた好景気は消費活動が過ぎて物価が上がる。
エ 本文の3のように、円を売ってドルに換える。
2 日本銀行
3 円安 1ドル=150円...1ドル=100円の時よりも余分に50円必要=円の価値が低い
4 ウ 円高の場合:1ドル=100円とすると、外国で1ドルのものが売れた=100円の売上
円安の場合:1ドル=150円とすると、外国で1ドルのものが売れた=150円の売上
日本から製品を輸出した場合、円安の時の方が、同じ製品でも売上が上がる
5 エ 国内に出回るものが減るので、物価がさらに上がる。
